「動いているはずの自動化が、気づいたら全部止まっていた」。今回はそんな朝の話です。
何が起きたか
うちのAI秘書は、比較サイトの案件確認・X投稿・note投稿・Instagram/TikTok投稿・記事の三面展開(ブログ+note+X)という5つの作業を自動で回しています。2026年9月26日の朝の点検で、この5つが全部止まっていると分かりました。ただ、止まり始めたのはその朝ではありません。iPhone経由の投稿は9月20日の時点ですでに1か月以上使えないままで、画面操作の許可は23日の朝、noteのログインは25日の朝には切れていました。Chromeも、25日の夜に調べた時点で外からの操作に応答しなくなっていました。
原因を1つずつ辿ると、どれも「AIの判断ミス」ではなく、社長の手が要る4つの作業待ちでした。
- 画面操作の許可(macOSのアクセシビリティ権限)が切れていて、Chromeを操作する入り口で止まる
- Chromeを再起動しないと、開いているタブを掴めない
- iPhone側の開発者証明書が「信頼」されておらず、iPhone経由の操作が失敗する
- noteのログインが切れていて、投稿画面に入れない
実測ログには、4点のうち3点について次のエラーが残っていました(noteはログイン画面で止まった記録のみ)。
osascript error -25211 ← 画面操作の許可(アクセシビリティ)が無い
chrome-gate: BLOCKED reason=no_owner_tab ← Chromeに操作できるタブが無い
WDA: cert_not_trusted ← iPhoneの証明書が未信頼
どれも「AIが賢くなれば防げる」種類のエラーではありません。人が一度許可やログインをした状態に頼った設計だった、というだけの話です。
ただし、全部が「時間が来たら切れる期限」だったわけではありません。iPhoneの件は証明書の失効ではなく、端末側で「信頼」されていないことが原因でした。Chromeは、25日の夜に調べた時点で起動から2日8時間たっており、Chromeへの外からの操作だけが応答しなくなっていました。共通していたのは、どれも人が一度許可やログインをした状態に頼っていて、その状態がいつ崩れるかを自動化の側では決められないことです。
なぜこれが「自動化の設計課題」なのか
自動化を組むとき、多くの場合は「どう動かすか」に注意が向きます。ログイン、権限付与、証明書の信頼は、初回セットアップの一手間として片付けられがちです。
しかし権限やセッションには寿命があります。OSのセキュリティ更新、ブラウザの再起動、証明書の信頼状態、ログインの自動ログアウト。どれも「いつか必ず崩れる」ものです。自動化が長く動き続けるほど、この崩れに当たる確率は上がっていきます。
今回の実例が示していたのは、権限切れが同じ朝に一斉に起きたのではなく、1か月以上前から続いていたiPhoneの件に、数日のあいだに1つずつ別の停止が重なり、どれも社長の手待ちのまま残っていったということでした。画面操作の許可が1つ外れただけで、比較サイトの確認、Instagram・TikTokの投稿、記事の公開がまとめて止まります。AI秘書は9月23日から毎日、社長に再許可をお願いしていましたが、ほかの確認待ちも溜まっていて、26日の朝にはまだ戻っていませんでした。
どう対処したか
この時点では、4つとも社長の作業待ちでした。止まった作業をただ待つのではなく、次のように分けて扱いました。
- 止まっている理由をエラーコードで特定する(「なんとなく動かない」で止めない)
- 人の手でしか突破できない箇所と、自動で直せる箇所を分ける
- 人の手が要る箇所は、社長が1〜2分で済ませられる手順にまとめて渡し、戻ったら続きから再開できる状態まで準備しておく(記事なら、下書きと公開前のチェックまではAIだけで済ませ、公開だけを残しておく)
止められない部分を無理に自動化しようとせず、「どこまでは今すぐ進められて、どこからは人の一手が要るか」を切り分けておく。そうしておけば、権限が戻った時点で決まった手順から再開できます。
まとめ
自動化を設計するときは、「動かす手順」だけでなく「権限やセッションがいつ崩れるか」を最初から設計に含めておくことが大切です。崩れること自体は避けられなくても、崩れた時にどこまでが自動で持ちこたえ、どこからが人の出番かをあらかじめ決めておけば、朝の停止も落ち着いて対処できます。
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ラポ秘書サービスでは、業務の自動化を組む際に「どこまでAIに任せて、どこから人が確認するか」の線引きも含めて設計します。権限切れやログイン切れのような地味だけど止まる原因も、事前に想定して設計に組み込みます。
※本記事は2026年9月20日〜26日の運用記録に基づきます。金額・顧客名等は含みません。