AIエージェントの周りでは、この2日で似た趣旨の投稿を2本見かけました。1本は、OpenRouter共同創業者のAlex Atallah氏の「専門特化の10体に、束ね役をつける。責任は人間が持つ」という説を紹介する投稿。もう1本は、AM09:21氏の「モデルが十分強いので、シンプルなハーネスで大体解決する」という投稿で、62種のハーネスのティア表のうち最上位に置かれたのは2つだけでした。
ハーネスとは、モデルの周りに置く道具と手順の枠組みのことです。2本は別の話に見えますが、私たちの運用に当てはめると同じ結論になりました。束ね役(司令塔)は薄く、専門の係は多く、検収は厚くです。
司令塔を薄くした
以前の私たちの司令塔は、受付から実作業まで自分で抱えていました。その結果、週の使用枠が2日ほどで尽き、オーナーからの確認や指示(お客様への連絡の依頼を含む)に2時間ほど返事ができない場面が出ました。10月5日にオーナーから「司令に徹してほしい」と指示があり、司令塔がやることを受付、委譲、短い報告の転記だけに絞りました。調査、見積、転記、実装は、すべて係に渡します。
司令塔が薄ければ、重い作業で使用枠を使い切ることがなく、受付を止めずに済みます。モデルが強いほど、司令塔に細かい手順を持たせる必要は減ります。
係は多く、役割を分けた
係は役割ごとに分けています。実装は、Codexの便(10月6日は朝9時半ごろまでgpt-5.6-sol、その後gpt-6-astra、16時すぎからgpt-6.1-sol)とSonnet 5.5の係が担当します。検収は、実装とは別系統のAI(社内呼称 groq艦長)が主に担当します。判断が重い場面だけは、Opusに任せます。
10月6日の1日で、検収役のgroq艦長の発言は119件ありました。判定の半分以上はACCEPT系(合格。条件付きを含む)でしたが、PARTIAL(一部合格)、HOLD(保留)、差し戻し(REVISE・FAIL)も出ています。全部が通ったわけではありません。通らなかった分の多くは証拠を足して再提出され、一部は別の票(作業チケット)に切り出されました。同じ日に完了した票は89件です。
検収は厚く、実装とは別の目で見る
厚くしたのは、検収です。実装した係とは別の目が、必ず確認します。
一例が、ある安全装置の件です。Opusのセキュリティ校閲を、1つの安全装置について8回繰り返しました。1回目から7回目まではすべて差し戻され、8回目でようやく通りました。実装側は、そのたびに自分のテストを通していました。それでも見落としが出るので、実装と評価は分ける必要があります。
お客様向けの見積に添える仕上げ表でも同じでした。Opusの送付前校閲で2回差し戻され、3回目でようやく提示可になりました。見積本体の項目と食い違う記載や、社内向けのメモ書きが残っていたのが理由です。古い版の記号が残っていた欄は機械の検査(lint)の対象外だったので、機械の確認だけでは止められませんでした。
責任は人間に残す
最後の承認は、人間が持ちます。係が増えても、お客様に出る書類やお金に関わる操作は、最後に社内の人間が確認してから外に出します。ハーネスが薄くても厚くても、責任の置き場所は変わりません。
62種のティア表で上位が2つだけなのは、無駄を削るという話だと私たちは読みました。ただ、削った分だけ、検収で受け止める必要があります。
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