「追加で軽微な工事をお願いしたら、想定より高い金額を請求された」——内装工事の現場では、こうしたトラブルが少なくありません。
原因の多くは、追加・変更工事が発生した際に金額と作業範囲を書面で確定させないまま工事を進めてしまうことにあります。ここでは、東京・世田谷での内装工事の実務目線で、契約書・覚書に明記すべき確認ポイントを解説します。
なぜ追加・変更工事でトラブルが起きるのか
内装工事は、契約時点の図面や仕様書だけでは工事の全範囲を確定しきれないことがあります。
- 壁や天井を解体してみたら、下地の劣化や腐食が見つかった
- 施主から「ここも一緒にやってほしい」という追加依頼が入った
- 電気・給排水の配管ルートが図面と実際の建物で異なっていた
こうした事情で追加・変更工事が発生すること自体は珍しくありません。問題は、その場の口頭確認だけで工事を進めてしまい、金額や範囲の認識が施主と施工会社でズレたまま完了報告を迎えることです。
工事完了後に「そんな金額は聞いていない」「その作業は含まれていると思っていた」という食い違いが表面化すると、支払いをめぐるトラブルに発展しやすくなります。
契約書に明記すべき3つのポイント
1. 追加・変更工事の発生時の手続き
契約書(工事請負契約書)の段階で、追加・変更工事が発生した場合の手続きを条項として入れておくことが基本です。
- 追加・変更が必要になった時点で、施工会社は施主に書面(覚書・追加工事注文書等)で内容と金額を提示すること
- 施主の承認(署名・押印またはメール等での明示的な合意)を得てから着手すること
- 承認前に着手した作業については、追加費用を請求できない、または双方協議とすること
この条項があるだけで、「言った・言わない」の余地がかなり狭まります。
2. 追加工事の金額の算出根拠
追加工事の金額提示は「一式◯万円」のような曖昧な書き方ではなく、次の内容が分かる形にしておくべきです。
- 追加で発生する作業の内容(例:下地補修、配管ルート変更など)
- 数量・単価の内訳(材料費・施工費を分けて記載できるとなお良い)
- 工期への影響(追加作業により完了予定日が延びる場合はその旨も明記)
金額の内訳が残っていれば、後から「なぜこの金額になったのか」を確認できるため、双方の認識のズレを未然に防げます。
3. 着工前に判明しなかった不具合の扱い
解体して初めて判明する下地の劣化・腐食・シロアリ被害などは、契約時点の見積りに含まれていないのが通常です。この種の「隠れた不具合」への対応方針を、契約書または覚書であらかじめ決めておくと、現場での混乱を減らせます。
- 解体後に不具合が見つかった場合、施工会社は写真等の証拠とともに施主へ報告すること
- 補修方法・追加費用について協議のうえ、書面合意後に着手すること
- 緊急性が高く即時対応が必要な場合(漏水の拡大防止など)の例外的な取り扱い
例外を認める場合でも、「事後速やかに書面で報告・確認する」という手続きは残しておくのが安全です。
覚書のひな形に入れておきたい項目
契約書とは別に、追加・変更工事が発生する都度作成する覚書には、最低限次の項目を入れておくと後々の確認がしやすくなります。
- 元の契約(工事請負契約書)を特定する情報(契約日・工事名など)
- 追加・変更となる作業内容と対象箇所
- 追加費用の金額(内訳つき)
- 工期への影響の有無
- 発生理由(施主要望/現場発見事項/設計変更など)
- 双方の署名・押印または合意日
特に5の「発生理由」を記録しておくと、後日「これは元々の契約範囲だったはず」という水掛け論を避けやすくなります。
まとめ
追加・変更工事のトラブルの多くは、金額の高さそのものよりも「合意していないまま進んでしまった」という手続き面のズレから起きます。
- 契約書に、追加・変更工事発生時の書面合意の手続きを明記する
- 追加工事の金額は内訳つきで提示し、着手前に承認を得る
- 解体後に判明した不具合への対応方針もあらかじめ決めておく
これらを事前に押さえておくだけで、着工後のトラブルの多くは防げます。契約書のひな形に不安がある場合は、着工前に一度専門家に確認してもらうことをおすすめします。
追加工事の判断も、写真と一言でその場の記録に
ラポ秘書サービスでは、現場で発生した追加・変更工事の内容を写真と一言で送っていただくだけで、理由・想定作業をその場で記録し、金額は後日の見積りで確定させる運用をしています。「言った・言わない」を防ぎたい方はご相談ください。
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