まつげ・アイラッシュサロンの内装を考える前に
まつげエクステ・アイラッシュサロンの内装工事は、美容室やエステサロンと近いようで、実は固有の論点があります。施術は仰向けで長時間かかるため施術ベッド周りの空間設計と個室・半個室のプライバシー確保が重要になり、まつげエクステ用グルー(接着剤)特有の臭気・ミスト対策としての換気計画、手元の繊細な作業を支える高演色・調色照明、そして美容室とは異なる法規上の位置づけが論点になります。
世田谷区・東京都内では、個人開業・フランチャイズ・多店舗展開いずれのご相談も増えています。この記事では、内装設計・施工を進める前に知っておきたい実務ポイントを整理します。
アイラッシュサロン内装で特に確認すべきポイント
1. 施術ベッドの配置とプライバシー確保
アイラッシュサロンは、来店客が施術中の40分〜2時間程度、仰向けの状態が続きます。完全個室、天井まで届かない半個室(パーテーション仕切り)、ベッド間をカーテンで仕切るオープン型のいずれを選ぶかで、初期費用と1時間あたりの収容ベッド数(=売上上限)が変わります。
個室造作は1ブースあたり相応の費用がかかる一方、半個室(電源・LAN込みのパーテーション施工)であれば初期費用を抑えつつ個室感を出せます。ベッドは通路側からの視線を遮りつつ、施術者が両側から手を入れられる幅(片側最低600mm程度)を確保する必要があるため、内見時点で施工会社に同席してもらうと配置ミスを防げます。
2. グルー(接着剤)対策の換気計画
まつげエクステで使うグルー(シアノアクリレート系接着剤)は硬化時に刺激臭のあるガスを発生させます。施術者・来店客双方が長時間吸い込む環境になるため、一般的な店舗内装よりも換気計画の比重が大きい業態です。
ベッド1台ごとに手元の臭気を逃がす局所換気(卓上ファン等)を設けるか、天井埋込の換気扇でブース全体の空気を入れ替えるかは、ベッド数と天井高、ダクトルートの取り回しで決まります。24時間換気(建築基準法上の義務)に加えて、施術エリアの換気量を上乗せする設計が一般的です。既存テナントの給気口・排気ダクトの位置によって工事範囲が大きく変わるため、内見時に換気ルートの確認が欠かせません。
3. 手元照明の演色性と調色
アイラッシュの施術は1本1mm前後のまつげを扱う繊細な作業のため、色の見え方が正確な高演色照明が求められます。ベッドごとに調色(電球色〜昼白色の切り替え)・調光対応のダウンライトを設置し、施術中は手元をしっかり照らしつつ、接客時・カウンセリング時は柔らかい光に切り替えられる設計が実務上多く選ばれています。
全体照明を落として手元だけスポット的に明るくするレイアウトにする場合、ベッド間の遮光(隣のスポット光が目に入らない配慮)も設計段階で検討が必要です。
4. 温湿度管理(グルーの硬化条件)
グルーは湿度・温度によって硬化速度が変わるため、空調でエリア全体の湿度を一定範囲(目安として湿度40〜60%程度)に保てるかが施術品質に直結します。窓のない内側テナントや、外気の影響を受けやすい路面店では、空調計画の精度がそのまま施術の安定性に関わってきます。
美容機器の消費電力が大きいエステサロンと比べると電気容量の負荷は小さい業態ですが、ベッド数分の照明・グルー用ウォーマー・空調が同時稼働しても問題ない回路構成になっているか、契約アンペア数と分電盤の空き回路は事前に確認してください。
5. 受付・カウンセリング・パウダールームの動線
施術前のカウンセリングと、施術後のパウダールーム(鏡・洗面台での仕上がり確認)は、アイラッシュサロンの満足度を左右する動線です。施術エリアとは別に、来店客が落ち着いてメイク直しができるスペースを設けると回転率が上がります。
貴重品ロッカーの設置場所と施錠方式、着替えが発生する場合の更衣スペースの有無も、防犯・動線の観点から早めに決めておくと安心です。
6. 美容室・エステサロンとの法規上の違い(届出の要否)
美容室(美容師法上の「美容」=パーマ・カット・カラー等)は美容所としての保健所届出と美容師免許が必須ですが、まつげエクステンションの装着は美容師法上の「美容」に該当しないとされており、原則として保健所への施術所届出や美容師資格は法的に必須ではありません(民間資格としてのアイリスト資格はありますが、法的な必須要件ではありません)。
ただし、内装計画そのものには保健所の施術室基準は適用されない一方、消防法上の内装制限(間仕切り変更時の内装仕上げ)や建築基準法上の用途変更の要否は、他業種と同様に確認が必要です。グルーの臭気に関する近隣クレームを避けるため、テナントの換気経路が隣接店舗・住戸に影響しないかも契約前に確認しておくと安心です。
内装工事の費用目安
まつげ・アイラッシュサロンの内装費用は、以下の条件によって大きく前後します。
| 条件 | 影響の傾向 |
|---|---|
| ベッド数・個室数 | ベッド数が多いほど間仕切り・電気工事が増える |
| 換気設備のグレード | 局所換気を追加する場合はダクト工事が増える |
| 照明計画(調色・調光の台数) | ベッドごとの手元照明を作り込むほど電気工事費が上振れ |
| 給排水(パウダールーム・洗面) | 洗面台新設で配管工事が発生 |
| スケルトンか居抜きか | 居抜きは初期費用を抑えやすい |
ラポルタの施工実績データでは、美容室・サロン業態全体でスケルトンからの新装が坪単価25万〜50万円、居抜き活用で坪単価15万〜30万円が目安レンジです。アイラッシュサロンはエステサロンほど大掛かりな給排水・電気容量の増設は必要としない一方、換気設備と手元照明の作り込みに費用が寄る傾向があるため、同レンジの中でも「どこに配分するか」が変わるイメージで捉えてください。
代表的な工事項目の参考単価(材工共・自社施工データベースより):
| 工事項目 | 参考単価 |
|---|---|
| パーテーション個室造作(電源・LAN込み、1ブース) | 220,000円/式 |
| 洗面化粧台(W750) | 132,000円/台 |
| LEDダウンライト(調色・調光対応) | 19,800円/台 |
| クッションフロア(土足対応2.3mm) | 3,960円/㎡ |
| 石膏ボード壁下地張り t=9.5mm | 1,020円/㎡ |
| 換気扇(天井埋込・ダクト接続型) | 27,500円/台 |
| 鏡(W600×H1800、飛散防止フィルム込み) | 27,500円/枚 |
上記はあくまで単価の一部であり、実際の総額は物件の状態・ベッド数・換気仕様で変わります。概算より、現地調査後の正式見積りで前提条件を揃えて確認することが重要です。
業者選びで確認すること
まつげ・アイラッシュサロンの内装工事を依頼する場合、以下を確認すると判断しやすくなります。
- サロン・美容系店舗の施工事例があるか(個室造作・換気・照明計画のノウハウ)
- グルーの臭気対策を踏まえた換気設計を提案できるか
- 消防法上の内装制限(下地・仕上げ材の防火性能)を理解しているか
- 工期と費用の根拠を具体的に説明できるか
- 引き渡し後の不具合対応が可能か
まとめ
まつげ・アイラッシュサロンの内装工事は、施術ベッドの配置とプライバシー設計、グルー対策の換気計画、手元照明の演色性、温湿度管理と、検討すべき項目が一般的な美容室以上に細かく分かれます。法規上は美容室のような届出義務がない分、内装の質と換気設計で差がつきやすい業態でもあります。
株式会社ラポルタは、世田谷区給田を拠点に東京都内のまつげ・アイラッシュサロンの内装工事ご相談を承っています。物件検討段階の概算相談から、換気・照明計画に合わせた設計提案まで、一貫してサポートします。内装工事だけでなく開業準備をワンストップで任せたい方は、開業ワンストップ支援もご確認ください。
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