「デザインは決まったから、あとは工事だけ」——そう思っている店舗オーナーさん、正直に言うと一番危ないタイミングです。
飲食店の内装は、デザインが良くても保健所と消防の基準を満たしていなければ営業許可が下りません。世田谷区給田で工事をしていても、保健所も消防署も内装が仕上がってから「ここ直してください」とは言ってくれません。図面の段階で潰しておかないと、内装工事が終わった後に壁を壊すことになります。実際、うちが過去に請けた案件でも、着工後に手洗い場の位置がNGと判明して工期が3週間延びたケースがありました。
保健所の設備・区画要件
飲食店営業許可で保健所がチェックするのは、主にこの3点です。
- 調理場と客席の区画:扉やのれんなど、完全に仕切られていること。オープンキッチンでも一定の区画線が必要です
- 二槽シンク:調理場に幅45cm以上のシンクを2つ以上設置。1槽だと許可が下りません
- 専用手洗い設備:調理場内に従業員用の手洗いを別途設置。トイレの手洗いと兼用は不可
世田谷区の場合、店舗面積が15坪前後の小規模飲食店でも、この3要件は例外なく求められます。ぶっちゃけ、居抜き物件で「前の店が飲食店だったから大丈夫」と思い込むのが一番危険です。前のテナントが取得したのは10年以上前の基準だったりして、今の条件では通らないことがよくあります。
消防法と内装制限
消防はもっとシビアです。建築基準法の内装制限がかかる用途だと、壁・天井の仕上げ材に難燃性が求められます。
- 客席面積が100㎡を超えると、内装制限の対象になりやすい
- 厨房まわりは火気使用室として、不燃材での仕上げが原則
- 収容人数30人以上の場合、防火管理者の選任と消防計画の届出が必要
木目調のクロスや無垢材の壁って、雰囲気は最高なんです。でも防火認定を取っていない建材を使うと、消防検査で一発アウトになります。実は内装のデザイン費用より、この建材の選定ミスによる差し戻しコストの方が高くつくケースを何度も見てきました。
図面段階で潰すべき論点
工事が始まってからの手戻りは、坪単価にして1〜2万円分の追加費用になることも珍しくありません。図面段階で確認すべきなのは次の4つです。
- 調理場と客席の区画線が保健所基準を満たしているか
- シンクと手洗いの位置・数量
- 内装材の防火認定(不燃・準不燃)の有無
- 排煙設備と非常照明の配置
これ、意匠設計だけを頼むと見落とされがちです。内装デザイン会社の中には保健所・消防の実務経験が浅いところもあるので、着工前に必ず「保健所・消防の事前相談は誰が窓口になるか」を確認してください。
申請の流れと段取り
一般的な流れはこうなります。
- 図面確定後、保健所へ事前相談(工事着工前)
- 消防署へ防火対象物使用開始届を提出(使用開始の7日前まで)
- 内装工事完了後、保健所検査を受けて営業許可証を取得
- 消防検査(規模により実施)をクリア
開業予定日から逆算すると、保健所・消防まわりの手続きだけで最低でも1ヶ月は見ておく必要があります。うちが担当する案件では、着工の2ヶ月前には保健所への事前相談を済ませるようにしています。
飲食店の内装は、見た目のデザインと法規のクリアが両輪です。どちらかが欠けても開業日は延びます。図面段階で一緒に潰していきましょう。まずは相談を。
