正直に言うと、僕らに「改装したい」と連絡が来るタイミングって、だいたい遅いんです。
お客さんが減ってから、雨漏りしてから、エアコンが完全に死んでから。気持ちはすごく分かる。でも、飲食店にとって一番もったいないのは、書き入れ時の直前に店を止めることなんですよね。
あなたの店舗、この夏ちゃんと戦える状態ですか?
今日は、飲食店オーナーさんが毎年この時期に悩む「直すか、替えるか」の見極めについて、現場で20年やってきた立場から正直に書きます。
夏前に改装の需要が跳ね上がる、本当の理由
実は、内装屋にとって5月から6月は一年で一番バタつく時期です。理由はシンプルで、みんな同じことを考えるから。
飲食店の繁忙期って、業態で違うけど大きく2つあります。
- ビアガーデン・居酒屋系: 7〜8月の夏が最大の山
- ファミレス・カフェ系: 夏休みの家族客で客数増
つまり、夏に向けて「店をきれいにして万全で迎えたい」という需要が、4〜6月に集中するわけです。
ここで問題が一つ。職人の手は無限じゃない。うちでも繁忙期は協力業者を含めて回しますが、それでもお盆前の完工を狙う案件は5月時点でほぼ埋まります。
ぶっちゃけ、「7月に入ってから夏に間に合わせて」と言われると、できることがかなり限られる。だから僕は毎年、常連のオーナーさんには3月くらいから「今年どうします?」と声をかけてます。
夏を逃すと、次の改装チャンスは年末商戦前。半年待つことになるんです。
メンテナンスか、改装か。見極める3つの軸
ここが一番大事なところ。全部を新しくする必要なんて、ほとんどありません。
正直に言うと、改装の相談を受けて現場を見ると、「いや、これはメンテで十分ですよ」と止めることも結構あります。お客さんの財布を無視して大きい工事を勧める業者にはなりたくないので。
判断の軸は3つです。
1. 内装の耐久年数で考える
ざっくりした目安を出すと、こんな感じ。
- 壁紙(クロス): 7〜10年。タバコや油でもっと早まることも
- 床材(クッションフロア・タイル): 10年前後。飲食店は摩耗が早い
- 塗装: 5〜8年。色あせ・剥がれが出てきたらサイン
- 厨房設備・空調: 10〜15年。ただし壊れる前に動きが鈍る
この年数を超えてるなら「替える」を検討。まだ手前なら「メンテ」で延命できます。
2. お客さんの目に入るかどうか
これ、意外と軽視されがち。床の隅のひび割れより、入口とトイレの印象のほうがお客さんの「また来たい」を左右します。
予算が限られてるなら、見える場所に集中投資する。これが鉄則です。
3. 衛生・安全に関わるか
ここだけは年数も予算も関係なし。水回りの漏れ、電気系統の劣化、滑る床。これらは「来年でいいか」と先延ばしにすると、事故や営業停止につながります。即対応です。
気になる費用の目安。坪単価で正直に出します
「で、いくらかかるの?」が本音ですよね。分かります。
飲食店内装の費用は、業態と規模で大きく変わるんですが、目安として坪単価で整理します。
- 部分メンテ(クロス・床の張り替え): 1坪あたり3〜8万円
- 中規模改装(内装+一部設備): 1坪あたり15〜30万円
- フルリノベ(スケルトンから): 1坪あたり30〜50万円
例えば20坪の居酒屋でクロスと床だけ刷新するなら、だいたい80〜150万円。これに対して、店舗の内装まるごと変える中規模改装なら300〜600万円が一つのレンジです。
ここで一つ、失敗談を。昔、予算をケチって安い床材を選んだお客さんがいて、2年で擦り切れて結局やり直しになったんです。飲食店の床は人も椅子も動く。安物買いの銭失いが一番きつい業界だと、僕は思ってます。
逆に言うと、メンテで済むところはとことん安く、勝負どころはしっかりお金をかける。このメリハリが効くと、トータルで2〜3割は変わります。
まとめ:迷ってるなら、まず現場を見せてください
長くなったけど、伝えたいことは一つです。
夏前のこの時期、「直すか替えるか」で迷ってるなら、まず動いてほしい。理由は単純で、判断が遅れるほど選択肢が減るからです。職人の手配も、工期も、夏の売上も、全部が時間との勝負なんですよね。
そして大事なのは、いきなり大きい工事を決めないこと。耐久年数・見える場所・安全性、この3つで切り分ければ、無駄な出費はかなり減らせます。
僕らラポルタは、現場を見て「これはメンテでいい」と正直に言う内装屋です。大きく売りたいわけじゃない。あなたの店舗が、この夏ちゃんと戦える状態であってほしいだけ。
迷ってるなら、まずは相談から。一緒に、後悔しない夏支度をやりましょう。
