正直に言うと、飲食店の内装トラブルって、忙しい時期に限って一気に噴き出します。
真夏のランチタイム、満席のホールで急にエアコンが効かなくなる。厨房のシンク下から水が漏れる。お客さんの前でクロスがベロッとめくれる。全部、僕が現場で実際に見てきた光景です。
あなたの店舗、最後に内装をちゃんと点検したのはいつですか?
「まだ使えるから」で先延ばしにしている間に、修理は必ず“一番困るタイミング”でやってきます。だからこそ、夏の書き入れ時に入る前の今、判断してほしいんです。
夏前に改装の需要が高くなる、これだけの理由
飲食店の改装相談、うちには6月から7月にかけて問い合わせがグッと増えます。理由はシンプルで、みんな夏の繁忙期を万全の状態で迎えたいから。
ビアガーデンや冷やし系メニュー、夏休みのファミリー客。飲食店にとって夏は年間売上を左右する勝負どころです。そのピークにエアコンや厨房が不調だと、機会損失は一日数万円どころじゃ済みません。
もうひとつ、意外と知られていないのが工事側の事情です。
- 6〜7月前半は梅雨で外構工事が止まりやすく、内装職人の手が空きやすい
- 年末(11〜12月)や年度末(2〜3月)に比べて予約が取りやすい
- 段取りに余裕があるぶん、丁寧な仕事がしやすい
ぶっちゃけ、繁忙期の駆け込み工事は職人の取り合いになって、日程も費用も無理が出ます。同じ工事なら、空いている時期にやったほうが仕上がりも値段も納得できるんです。
メンテナンスで済むか、改装が必要か。見極め方
ここが一番大事なところ。全部を作り直す必要なんて、ほとんどの店舗にはありません。まずは部分メンテで足りるのか、思い切って改装すべきなのかを切り分けましょう。
メンテナンスで十分なサイン
- クロス(壁紙)の端が少し浮いている、軽い汚れ
- 床のクッションフロアに小さなキズやめくれ
- 塗装の色あせ、テーブルや椅子の脚のガタつき
- 照明が一部切れている
このレベルなら、部分補修で数万円〜十数万円。営業を止めずに直せることも多いです。
改装を考えるべきサイン
- 修理費が年間30万円を超え始めた(そのお金、改装の頭金にできます)
- 給排水の配管トラブルが繰り返す
- 厨房機器が立て続けに壊れ出した
- 開業から10年以上経ち、お客さんに「古いね」と言われた
飲食店の内装には耐久年数の目安があります。ざっくり言うと、クロスや床材で7〜10年、水回りの配管や厨房設備で10〜15年。ここを超えてくると、直しても直しても次が壊れる“もぐら叩き”状態になります。
僕が一番伝えたいのは、修理を積み重ねた総額が改装費を超えてしまうケースが本当に多いということ。だから「どっちが得か」を一度そろばん弾いてみてほしいんです。
費用の目安。正直な数字を出します
気になるのはお金の話ですよね。ここは隠さず書きます。あくまで目安ですが、世田谷区周辺での店舗内装の相場感はこんな感じです。
- 部分メンテナンス(クロス張り替え・床補修など):10万〜50万円
- 中規模改装(内装の一部刷新+設備更新):坪あたり15万〜30万円
- フルリノベーション・居抜き改装:坪あたり30万〜50万円
たとえば15坪の居酒屋を中規模で手を入れると、ざっくり225万〜450万円が目安。居抜き物件をイチから作り直すなら、もっと上を見ておく必要があります。
ただし、ここで太字にしておきたいのは——全部やる必要はほぼないということ。
うちがよく提案するのは、「お客さんの目に入る部分(内装・照明・トイレ)だけ先に手を入れて、まだ使える設備は残す」という優先順位付けです。実際、それだけで見違えるほど印象が変わった店舗をいくつも見てきました。予算200万円のつもりが80万円で収まった、なんてこともあります。
大事なのは、限られた予算をどこに集中させるか。ここは職人まかせにせず、一緒に考えたいところです。
まとめ:迷ったら、夏本番の前に一度見てもらってください
飲食店の内装は、放っておいて良くなることは絶対にありません。むしろ一番忙しい時に牙をむきます。
- メンテで済むか改装かは、年間の修理費30万円と**耐久年数(床7〜10年・設備10〜15年)**が判断の軸
- 夏前は職人の手が空きやすく、日程も費用も無理が出にくい
- 全部やる必要はない。予算はお客さんの目に入るところから
正直、うちみたいな小さな内装屋にとっては、繁忙期にドカンと大工事を請けるより、こうやって早めに相談してもらえるほうがずっとありがたいです。無理な改装は勧めません。「これはまだ使えますよ」もちゃんと言います。
お店の状態を見て、メンテで足りるのか改装すべきなのか、いっしょに見極めましょう。まずは気軽に相談してください。夏本番が来る前に、動きましょう。
