正直に言うと、内装工事に「ベストな季節」を聞かれると、僕はいつも少し言葉を選びます。
だって、夏には夏の良さがあって、夏の怖さもあるから。
あなたがもし今、「オープンを秋に間に合わせたい」「夏休み中に店をリフォームしたい」と考えているなら、この記事はちょっと立ち止まって読んでほしい。ぶっちゃけ、季節ごとの注意点を知らずに施工を始めて、あとで「え、そんなの聞いてない」ってなる施主さんを、僕は何人も見てきました。
世田谷で内装工事をやっているラポルタの新山です。今日は、現場で汗だくになりながら覚えた「夏工事のリアル」を、いいことも悪いことも全部話します。店舗リフォームでも住宅リフォームでも、夏の施工には共通の注意点があります。
夏工事のメリット・デメリット
まず結論から。夏の施工には、はっきりしたメリットとデメリットがあります。
メリット
- 梅雨明け後は晴れが続くので、外部を含む工事の予定が組みやすい
- 塗料や接着剤の乾燥そのものは速い(気温が高いと化学反応が進む)
- 飲食や物販なら、お盆前後の閑散期に休業して工事を詰め込める
デメリット
- 湿度が高いと逆に乾かない。特に梅雨〜梅雨明け直後は最悪
- 職人が熱中症のリスクを抱える。真夏の現場は室温40℃を超えることもザラ
- 木材やクロスが湿気で反る・伸びる。あとから隙間や浮きが出やすい
実は「乾燥が速い」と「乾かない」が両方デメリットにもメリットにもなるのが夏の厄介なところ。気温は乾燥を助けるけど、湿度は乾燥を邪魔する。この綱引きを読み違えると、現場は一気に狂います。ここが夏の施工で一番注意すべきポイントです。
僕が一番痛い目を見たのは、7月の梅雨明け前にクロス(壁紙)を貼った現場。湿度が80%近くあって、ボンドがなかなか乾かない。翌朝見に行ったら、貼ったばかりのクロスの継ぎ目が0.5mmほど開いていました。貼り直しで2日ロス。あれは今でも忘れません。
費用への影響
「夏だと工事費が上がるんですか?」とよく聞かれます。
答えは、施工の単価そのものは基本変わりません。20坪の店舗なら坪単価も一緒。ただ、夏は「見えないコスト」が増えることがあるんです。
主にこの3つ。
- 除湿機・スポットクーラーのレンタル代(1週間で2〜3万円ほど)
- 乾燥待ちで工期が延びた分の現場管理費
- 職人の作業効率が落ちる分の人工(にんく)
たとえば通常5日で終わる塗装工程が、湿度で乾かず7日かかったとする。この2日分、地味に効いてくる。トータルで見ると、夏工事は10万円前後上振れすることがある、というのが僕の実感です。
一方で、いいこともある。内装業界は繁忙期が2〜3月と9〜11月に集中します。夏、特に8月のお盆前後は比較的手が空く。だから時期によっては、閑散期割引や職人の確保がしやすくなるメリットもあるんです。リフォームの予算を抑えたい人には、この時期は狙い目にもなります。
要は、夏は「湿度対策のコスト」と「閑散期のメリット」がせめぎ合う季節。ここを味方につけられるかどうかで、支払う金額は変わります。
夏工事を成功させる対策
じゃあ夏に施工をやるなら、どうすればいいか。僕がいつも施主さんに伝えている対策を、包み隠さず出します。
- 梅雨明けを待てるなら待つ。7月下旬〜8月は湿度が読みやすくなる
- 除湿機を必ず現場に入れる。ケチると乾燥待ちで結局高くつく
- クロスや木工事は湿度計を見ながら。湿度70%超えたら無理に貼らない判断も大事
- 工期に3〜5日の余裕を持たせる。夏は「読めない乾燥待ち」の予備日が命綱
- 職人の熱中症対策(朝早めの作業開始、こまめな休憩)を工程に組み込む
特に強調したいのが、工期に余裕を持たせること。夏は「予定通りいかないのが普通」くらいの気持ちでいたほうがいい。カツカツで組むと、乾燥待ち1日でドミノ倒しになります。ここは施工計画の段階から注意しておく必要があります。
あと、これは対策というより心構えなんだけど。夏の現場は、職人の体力勝負でもあります。無理をさせて雑な仕上がりになるより、1日多く見てちゃんと乾かす。その1日が、10年住む空間の施工品質を決めます。
まとめ
夏の内装リフォーム、怖がる必要はありません。ただ、季節の癖を知って備えるかどうかで、結果は大きく変わります。
もう一度おさらいすると。
- 夏は気温が乾燥を助け、湿度が乾燥を邪魔する綱引きの季節
- 費用は単価こそ変わらないが、除湿機代や乾燥待ちで10万円前後の差が出ることがある
- 対策は除湿機・湿度計・工期の余裕・熱中症対策の4点セット
僕自身、クロスの貼り直しで痛い目を見たからこそ言えます。夏工事は、正しく段取りすれば全然アリ。むしろ閑散期を狙えば、いい職人といい条件で施工を組めることもある。
世田谷で店舗やお住まいのリフォームを夏に考えているなら、まずは一度相談してください。あなたの工事が「夏のどのタイミングか」を一緒に見て、注意すべき点を洗い出しながら、いちばん損しない段取りを組みます。汗はかきますが、いい空間、一緒に作りましょう。
